ファッションアイテムとしても活躍する傘

世界と日本の傘の起源

現代でも雨や日差しを防ぐ為に一般に使用されている傘、それらの起源を世界全体で辿っていくとなんと凡そ4000年程前だとの記録があります。当時は古代ギリシアにて高貴な身分の人々が日避けの為に使用していたとのことです。そのようなルーツを持つ文化がヨーロッパ各国に広がっていき、富裕層の貴婦人たちの寵愛を受けていきます。近代的な開閉式構造の傘は18世紀頃のイギリスにて開発され、その際も用途としては日避けなのでした。

文化や気候的な側面もありますので、雨が降っても傘で防ぐことはしなかったのですね。日本において記録されている最古ものは、い草・檜・竹などから作られる「かぶりがさ」です。古墳時代にはそれらを被せられていた埴輪も残されています。百済から日本に伝来した際には、「天蓋」という仏具が献上されたと記録されています。

その後、国内でも製紙や竹細工の技術の発展とともに、和紙に防水性を付加し開閉可能な「和傘」が完成しました。構造としては和紙に油などを塗布することで防水加工を施し、その和紙を竹や木を材料とした数十本もの骨組みで支えるものとなっています。そして、近代的な洋傘が日本に持ち込まれたのは江戸時代のことです。当時は、武家・医師・洋学者などの上流階級の人々のみが使用できるほどの大層高価な代物でありました。

その後明治時代に突入すると文明開化とともに、庶民へも広く普及していきました。現在ではどこでも購入可能なごく一般的な商品となっていますが、歴史的なルーツを紐解いていくほどに、拘りを持ち大事に使用していきたいとさえ思える逸品です。

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